第12章 識別怪獣兵器10
そして、10号の話しをし、一応ジャージの下にスーツを着て、10号がいる部屋に向かう。
「保科!…ん?お前、あの時の女か!保科の女だな。」
スーツになった10号が楽しそうに、保科が俺を着てる時、ずっと美影美影うるさいけど、お前かと聞いてくる。
「なっ、お前っ…そういうことは言わんでいい!!ちゅーか、僕、言葉にしてへんで?」
焦る宗四郎さんを見ていると、笑いが零れてしまう。
どうやら、神経同調が出来ない為、音声での意思疎通で訓練をしているらしいが、強すぎる思い等は心の声として聞こえるらしい。
そんなに想ってくれているのかと、嬉しくて余計笑ってしまう。
「美影、もう笑わんといてやぁ…。言うてるやん?いつも君のことしか考えてないて…。」
手を後ろに回し頭を撫でてくる。
通信機から今はいちゃいちゃしないでくださいと、小此木さんの声が聞こえた。
突然10号が私にも着てみたいかと言ってくる。
もちろん許可が出るはずもなく…。
「アホか、誰がお前みたいなもん、大事な女に着させる思うとるん。」
10号がならお前が着ろ、戦わせろと宗四郎さんに文句を言っている。
つい、私と戦うかと言ってしまった。
宗四郎さんに軽く頭を小突かれた。
「く、訓練です!どうでしょう!?」
見学としか言ってないと睨まれた。
小此木さんにも反対される。
危険です、と。
この10号、襲撃してきた時とは違い、相当宗四郎さんに懐いてる気がするんだが…。
目をキラキラとさせて宗四郎さんを見ていると、しゃーないなぁと、どうやら許可が下りそうだ。
彼が小此木さんに僕が10号を抑えるし、美影はそんなに弱くないと言ってくれる。
「美影、君、武器持ってきてないやろ?使えるんはスーツについてるナイフだけやで。それかまた、僕の使うか?」
そう言ってくれたので、貸してもらうことにした。
他の隊員と武器を取りに行くことにし、宗四郎さんは10号スーツに着替えるようだ。