第12章 識別怪獣兵器10
オペレーションルームにつくと小此木さんはすぐに挨拶をしてから、私に手招きした。
なんだろうと思い近付くと、写真を手渡される。
「これ、私が撮ったもので…三浦隊員に見せずに処分しようかと思ったんだけど、欲しいかと思いって……いやっ、見慣れているとは思ったんだけど…。」
小此木さんの声を聞きながら、数枚の写真に目を通す。
どれも、宗四郎さんの開眼ショットだった。
「小此木ちゃん、こない撮ってたん。」
宗四郎さんが私の後ろに来て、顔を近付けて覗き込んでくる。
最後の1枚を捲って目にしたものに、目を見開き驚いて固まってしまった。
小此木さんはなんでこんなものを…女性の彼女が撮れるものじゃ…。
「は?こないなもんもあるん?」
後ろから手を回され目元を隠されたので、視界が真っ暗になる。
「これはさすがにあかんやん。なんで美影に見せたん?」
少し低くなった彼の声に小此木さんは、それはさすがに処分するべきだったと謝る。
いや、もしこれだけ見せられなかったら、他にもすごいものがあるんじゃないかと疑っていただろう。
彼は、何故この写真を小此木さんが撮ったと教えるのかと怒っている。
「大丈夫だよ。小此木さん、ありがとうございます!家宝にします!」
私の目を覆う手を取り、小此木さんにお礼をする。
宗四郎さんは私の言葉を聞き、豪快に笑い出した。
「あはははっ、家宝って…ははっ、なんやねん!」
だはははっと笑い続ける彼を薄目で見て、何故そんなにツボってるのかと頭を傾げた。
笑いが治まると真面目な顔で私を見つめてくる。
目開いてるじゃん…。
「小此木ちゃんに向けてこないな顔してたんとちゃうから。君のこと話しとったんや。…言うても、君は僕のこんなん顔見慣れとるんちゃう?僕いつもこないな顔しとるやろ?一応、自覚はあるわ。」
もう一度写真を見てみる。
えっちなことをしようとしてる時の宗四郎さんだ。
上裸で汗をかきながら目を開け、微笑んでいる。
小此木さんはもう一度謝り宗四郎さんの顔を見て…いや、髪を見て、今日はどうしたのかと問いかけている。
宗四郎さんは、ええやろ、美影がやってくれたんと自慢げに笑っている。
小此木さんは仲がいいことで、と顔を引き攣らせて笑っていた。