第11章 不調
上を向いて彼を見上げると戻される。
懲りずにまた上を向いたが、また戻された。
なので、また上を向いた。
「どしたん?」
「前はちゅーしてくれた…。」
「なんや、したいならそう言いや。その口はなんの為についとるん?僕とちゅーする為だけか?」
笑いながらそう言うと顔が下りてきて、唇が重なる。
そしてすぐに離れて微笑む。
「ううん、宗四郎さんに好きって言ったり、宗四郎さんのを口でしたりする。」
「ははっ、なんや、可愛ええなあ!」
彼はそう言うと、肩にあった手を滑らせてジャージのファスナーを少し下ろした。
その時、お風呂が沸いた音が鳴る。
え?今、舌打ちした?
チッて聞こえたような…。
「早う入ろうや…。」
そう言って私を見つめる彼の目には、少し熱が含んでいるように見える。
え、やっぱえっちなことしようとしてた?
入念に身体を洗っていると、そんな洗わなくていいから早くと言われてしまったので泡を流し、すでにお湯に浸かってる宗四郎さんを見て、どっち向こうと少し考えたが、向かい合うと恥ずかしいので、背中を向けて入った。
彼の足の間に座ると、お腹に手を回され抱きしめられる。
「少し痩せたんとちゃう?これからはちゃんと飯食ってな…。」
うんと頷き背中を預けていると、だんだんと腰を押し返してくるものがある。
あー勃ってもうたと耳元で呟かれたので逆上せそうだ。