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あの日あなたに恋をした【怪獣8号:保科宗四郎】

第11章 不調


もう一度連絡を取ろうと鳴海隊長に繋ぐが反応がない。

誰か…キコルちゃんや日比野先輩は訓練中なので通信機を持っていなかったはず…。


長谷川副隊長…誰か女性隊員を呼んでもらおう。


すぐに長谷川副隊長には繋がったが、ほんの少ししか状況を伝えられなかった。

伝わっただろうか…。


トイレを使う人が来てくれないだろうかと思っていたが、誰も来ない。


頭の中がグルグルして気持ち悪い。
なんでこんなことに…。


どのくらいかその気持ち悪さに耐えていたが、辛すぎて涙が出てくる。


通信機から誰かの声が聞こえてくる、長谷川副隊長だろうか。


「宗四郎さん、助けてよぉ…うぅ…。」


長谷川副隊長だとわかっているのに、声も聞きたくないはずの彼の名前を無意識に呼んでいた。


その時、トイレの入り口の扉が勢いよく開けられた。


「美影っ!」


「そ、そうしろ、さん…?」


ここにいるはずもない彼が私に駆け寄り抱き上げてくれる。

でも嫌で、その胸を力が入らない腕で押し返してしまう。


「やだ…宗四郎さんなんか、もう知らないっ…!」


「知らんくてええから、大人ししてくれ!」


いきなり動いたことことで吐き気が押し寄せてきて、そのまま宗四郎さんの服に戻してしまった。


「ご、ごめっ…うっ…!うぅ…。」


「気にせんから。もう大丈夫や。」


汚れた服を私につかないように背中を擦ってくれる。


すぐにジャージを脱いで私を抱えてトイレを出た。

そのまま医療棟にある治療室まで運んでくれる。

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