第11章 不調
あれから少し経ち、鳴海隊長は私やキコルちゃんの訓練に付き合ってくれることは一度もなかった。
そして、私たち防衛隊はもう一度怪獣9号との戦闘になり、四ノ宮功長官を失った。
9号が四ノ宮長官を取り込み、防衛隊の情報は敵に渡ってしまった。
宗四郎さんのことも色々あって、連絡は全て無視している。
宗四郎さんが性病になったのだ。
症状は軽いものであとは再検査をするだけ…何故感染してしまったのか…。
そんなことは容易にわかる。
私以外と身体の関係を持った。
私もすぐ検査して陰性だった為、私は関係ないのだ。
前に一度、通話越しに自慰をしてくれと言われたことがあった。
あの時、女性の声がしていたのだ。
その女性相手だと反応しなかったから、私にそんなことをさせてきた。
何故そんなことになったのかは全部教えてくれた。
しないと私を男を使って襲わせると脅されたらしいが、そんなの…私だってどうにか出来たかもしれないのに…。
四ノ宮長官を失い、宗四郎さんのことや男性恐怖症等のことが一気に押し寄せて気持ち悪くなる。
最近、訓練中に気持ち悪くなってトイレに駆け込むことが増えた。
気にする余裕もなくトイレの床に座り込み後ろの閉じた扉に背中を預け、息を整えながら流れた涙を拭う。
その時、通信機から鳴海隊長の声が聞こえすぐに応える。
「今すぐ来い。」
それだけ言って通信は途切れた。
どこに来いと言うのだ…折り返しても全然反応がない。
とりあえずうがいをしなければ気持ち悪いので、個室から出ようと扉を開けたら、急に視界が歪んで立っていられなくなり、そのまま倒れた。
どうしよう、気持ち悪い…立てない。