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あの日あなたに恋をした【怪獣8号:保科宗四郎】

第11章 不調


私が検査を受け点滴を打たれている間に、宗四郎さんは着替える為にいなくなった。

そして、会議があるからそれが終わったら来ると言った。


検査を終えて原因は、ストレスによる食欲不振で栄養失調になっており、貧血などを引き起こしていたようだ。
吐き気や嘔吐はストレスによるものだと。

なんだ、妊娠ではないのか…。
中には出していないから可能性は低かったが、少し期待してしまった。


ベッドで点滴をしながら休んでいると、宗四郎さんと鳴海隊長、長谷川副隊長が来て、宗四郎さんを押し退けて私のところに来ようとする鳴海隊長を、長谷川副隊長が首根っこを掴んで止める。

その隙に宗四郎さんが私の一番近くを陣取った。


「落ち着いたか?」


頭を撫でながら優しく聞いてくる彼を愛おしく感じ、じっと見つめてしまう。

名前を呼べば優しく微笑みかけてくれる。


「許したげる…。」


彼の顔を見れば、もう怒る気にはなれなかった。
だって、宗四郎さんがしたくてしたわけじゃなかったし。


「え……ほんまに?ありがとう、大好きや。」


心底嬉しそうに笑っている彼を見て両腕を伸ばせば、近付いてくれたので、その頭を引き寄せて胸に閉じ込める。

体勢が苦しいと苦情が来たが無視した。

立ったまま腰を折り、ベッドに横になっている私が抱きしめているのだ、そりゃあ苦しいだろう。

でも宗四郎さんなら大丈夫だろうと思い離さない。


辛くなってきたのか彼は、私の横に両手をついて少し膝を曲げた。


「苦しいやんかぁ…。」


そう言って、胸に押し付けていた顔を上げたので、至近距離で見つめ合ってしまう。


いつの間にか、鳴海隊長と長谷川副隊長はいなくなったようだ。

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