第10章 第1部隊
怪獣討伐を済ませ基地に戻ると、隊長室に呼ばれた。
なんの用だろう。キコルちゃんと2人ではなく、私だけ呼ばれたのだ。
部屋に入るとピカピカになっていた。
隊員さん、お疲れ様です…。
ピカピカになった部屋に悪態をついていた。
扉の近くに立ったままなんの用かと訪ねる。
テーブルに頬杖をついたままの彼が顔だけを振り向かせて、隣に座れというように床をポンポンと叩く。
いや、さすがにそこは…と躊躇する。
狼狽えていると、隊長命令だと言われてしまったので、大人しく隣に座り姿勢を正す。
座った瞬間、首の後ろに手を回され、次の瞬間には床に背中がついていた。
彼の腕が私の首の下にあるので、鼻がつきそうな程の至近距離で見つめられる。
鳴海隊長の前髪が私のおでこに触れた。
事態に気付き、すぐに彼の胸を力いっぱい押すが、第1部隊の隊長であり、現代最強の彼には私の力が叶うはずもなく、ビクともしない。
やだ、宗四郎さん…。
顔を背けたいが手で押さえられている為、どうすることも出来ない。
「やだ…やだやだ…。」
「君、ボクのこと好きだったろう?」
気付いていたのか…でもそれは昔の話だ。
今の私には宗四郎さんというとても大切な人がいる。
唇を押し付けられ舌で無理やり口を開けられると、それは私の口内に侵入してくる。
ジャージの下に隠れているインナーの中に手を入れられ、脇腹を撫でられた。
一気に鳥肌が立ち、怖くなった。
さっきまで平気だったのに…。
涙が零れてきてそれを見た彼の力が一瞬緩んだの見逃さず、彼を押し退け腕から解放されるとすぐに部屋を飛び出した。