第10章 第1部隊
隣にいるキコルちゃんと共に、報告というタイトルの亜白隊長からのメッセージを確認し、顔を見合せて笑った。
メッセージの内容は…日比野先輩の処分が保留されたことを伝えるものだったのだ。
保留ということは先輩がまた変身して戦う可能性があることを示唆している。
強くならねば…。
キコルちゃんから聞いたのだ、四ノ宮長官と戦った時、自我をなくし、長官を殺そうとしていたと。
もしまたそうなった時、彼を止めなければいけない。
拳を強く握った。
「あんた、保科副隊長と離れて寂しそうね。」
「えっ?そ、そうかな?」
確かに彼と離れたことは寂しいが、強くなると決めて自分の意思でここに来たのだ。
今いるとこは第1部隊の基地だ。
14時から鳴海隊長に会う為、とある部屋で待たせてもらっている。
鳴海隊長が弦お兄ちゃんなのか知ることが出来る。
宗四郎さんが間違いないだろうと言っていたが、この目で見てみないと…。
立川基地を出る時、宗四郎さんはなかなか私の手を離してくれなかった。
男が怖いのに本当に大丈夫なのかと、鳴海隊長にはあまり近付くなと、絶対に男と2人きりになるなと…すごく心配してくれた。
人目も憚らず私からキスをしてしまったのは後悔しているが…。