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あの日あなたに恋をした【怪獣8号:保科宗四郎】

第3章 辛苦


副隊長は西野先輩を帰し、私が言葉を発するのを待っている。


「なにも言わへんちゅーことは、お前が誘ったでええんやな?」


「っ…!……お願いします…許してください…っ!」


このまま防衛隊を辞めるのも嫌で、どうにか副隊長が揉み消してくれないかと、愚かな考えに至る。


「アホちゃう?上に報告させてもらうで。たぶん、異動なるやろな。」


「い、やです…ここにいたいです…。」


本当のことを言えずただ我儘を言う私に対して、副隊長は軽蔑の意を込めて私の心を殴った。


「お前みたいな尻軽おったら嫌やねんけど。それに雑魚がおらんくなった方が嬉しいわ。」


その言葉を聞いて何も言えなくなった。
好きな人に言われる言葉にしてはあまりにも、刺々しく辛いものだった。


心が酷く冷たくなって苦しくて痛くて……耐えられず床に膝をつき、天を仰いだ。
上を向いたことで、目尻から溜まっていた涙が流れた。

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