第3章 辛苦
副隊長は西野先輩を帰し、私が言葉を発するのを待っている。
「なにも言わへんちゅーことは、お前が誘ったでええんやな?」
「っ…!……お願いします…許してください…っ!」
このまま防衛隊を辞めるのも嫌で、どうにか副隊長が揉み消してくれないかと、愚かな考えに至る。
「アホちゃう?上に報告させてもらうで。たぶん、異動なるやろな。」
「い、やです…ここにいたいです…。」
本当のことを言えずただ我儘を言う私に対して、副隊長は軽蔑の意を込めて私の心を殴った。
「お前みたいな尻軽おったら嫌やねんけど。それに雑魚がおらんくなった方が嬉しいわ。」
その言葉を聞いて何も言えなくなった。
好きな人に言われる言葉にしてはあまりにも、刺々しく辛いものだった。
心が酷く冷たくなって苦しくて痛くて……耐えられず床に膝をつき、天を仰いだ。
上を向いたことで、目尻から溜まっていた涙が流れた。