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あの日あなたに恋をした【怪獣8号:保科宗四郎】

第3章 辛苦


副隊長のおかげで自由になった身体を先輩から離した。
副隊長に胸見られたかも…と、今考えるべきではないことを考えながら服を元に戻す。


これ以上この人と2人でいたくないし、今すぐ来いと言われたので、急いで副隊長室に向かう。


副隊長室の前で声をかけてから中に入る。
先輩もすぐに追いついて一緒に入室した。


「お前らなに考えとるん?あないなことする場所じゃないねんで。」


頭を深く下げたままじっと黙って聞いている。
すごく怒っている…。
まさか、お互い同意の上だと思っているのだろうか。

西野に関しては結婚しとるやろと呆れている。


そしてなんと、西野先輩は私に誘われたと言い出した。
副隊長がそうなのかと聞いてくるが、ショックと驚きで何も答えられなかった。

もし私が本当のことを言えば、西野先輩は除隊、よくて異動だろう。
もちろん西野先輩は私より強い。
第3部隊に必要なのは、私より先輩だろう。そう考えつき、肯定しようとしたが出来なかった。
黙ったまま頭を上げられなかった。


「なんで何も言わへんのや。本当のことだから言えへんのか?」


違う…私は、私は……何も答えられなくて、でもそんな風に副隊長に思って欲しくなくて、頭を下げたままの私の目に溜まった大粒の涙が床に落ちていく。


「それは肯定か?」


完全に呆れてしまっている副隊長は私の涙を見てそう言った。

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