第9章 決断
もう一つ疑問がある。
どうして私の家に行くのだろうか。
今回のことは伝えたくない、心配させたくないし。
それを言えば嫌なら伝えへんと言ってくれた。
「ほんまの目的は挨拶や。婚約のこと伝えなあかんやろ?」
驚いて彼を見たが、すぐに嬉しさに変わった。
なかなか取れない休みだ、今日伝えておくことに越したことはない。
宗四郎さんのご実家は関西にあるので、すぐには行けない距離だ。
今度、纏まった休みが取れた時に行こうと言われた。
その後、軽食を摂って産婦人科に向かっていると、とある疑問が浮かぶ。
彼も産婦人科に行くのだろうか。
「そこな、男もええねんて。診察室にも付き添いしてええ言うてたし。」
嫌か?と聞かれたので、勢いよく首を横に振った。
診察を受け、腟内に出来た傷はすぐに治ると言われたので安堵していると、そのまま手術を受けることになった。
宗四郎さんが処女膜強靭症を疑っていたが、本当にそうだったらしい。
彼が連絡をした時にすでに伝えていたようで、すぐ受けれるよう用意していてくれたようだが…そんなすぐ?
医師の指示に従い手術を受けた。
約15分で麻酔でふわふわしている間に終わった。
静脈麻酔だったので眠らずに喋ることもあるらしく、なんかずっと宗四郎さんのことを喋っていた気がする…。
というか未だにふわふわしている。