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あの日あなたに恋をした【怪獣8号:保科宗四郎】

第9章 決断


廊下で市川くんと古橋くんに会い、驚かれてしまった。


2人が声を発したり少し身動きを取るだけで、恐怖を感じて僅かに身体を震わせる。
今までこんなことはなかったのに、どうして…。

怖くて宗四郎さんの腕にしがみつけば、何かに気付いた彼が2人にちゃんと訓練をしてろと声をかけて、2人から離れた。


どうしたのかと聞かれたので、正直に怖かったと伝える。

宗四郎さんは顎に指をかけて考える仕草をとった。


「僕は怖くないん?めっちゃ触ったで。」


彼のことは怖くないのでそう伝えるとまた彼は首を捻った。

亜白隊長のことも怖くなかったと伝える。

斑鳩小隊長や警察の方たちはよくわからない。
まだ催淫剤の効果が強かった時だったから。


とりあえず、歩きながら話そうと手を引かれる。


その後も廊下を歩く男性隊員を見ては、宗四郎さんの腕をギュッと掴んだ。

このままだと防衛隊員を続けるのは厳しそうだ。
どうにかしなければ…。


基地の外に出て軽食を摂ろうと言われたので、そのまま手を繋ぎながら歩く。


「男が怖いん?反応見とるとそんな感じやったけど…。」


そうかもしれない。
女の人は大丈夫だったし…。

その言葉にコクっと頷いた。


「それやと、移動させられへんな…。ちゅーか、どうにかせんと防衛隊続けられへん。」


防衛隊は女性より男性の方が多い。

だが、我慢すれば大丈夫だろう。
少し距離を置いて話していれば、ましになるだろうし…。


大丈夫だと言ってどこに行くのか聞いてみた。
さすがに軽食を摂りに行くだけではないだろう。

どうやら軽食を摂って産婦人科に行き、時間を見て私の家へ行って、その後はディナーデートだそうだ。

デート…その響きに心が踊った。


産婦人科には連絡をしといてくれたらしく、よく防衛隊員が受診しているところだそうだ。

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