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あの日あなたに恋をした【怪獣8号:保科宗四郎】

第9章 決断


ベッドで休んでいると、待合室で待っていた宗四郎さんが来た。


「宗四郎さんだあ…。」


「あはは、どしたん?」


看護師さんがまだ麻酔が切れていないと説明してくれる。


両手を伸ばすと、指を絡めて握ってくれた。


ずっと宗四郎さんのことを話していたので、看護師さんに大好きなんですねと笑われてしまった。


そのままふわふわしながら甘えていると、麻酔が切れきて恥ずかしくなる。

真っ赤やんと揶揄いながらお会計を済まされてしまったので慌てて出そうとしたが、まさか今日来るとは思ってなくて持ち合わせがあまりなかった。

いらんいらんと頭を撫でられながら、産婦人科を後にした。

だから、来る途中ATMに寄っていたのか…と思っていると、私もATMに行けばいいのだと思い、行こうとしたのに止められた。


「どうする?まだ時間あるやろ?」


母たちが帰ってくるまでまだ時間があるのでどうしようかと話をする。


「どっか座れるとこ行くか?それか、もしよければ美影ん家で待たせてもろうたりとか…。」


私の体調を気遣ってくれる。

それならば私の家に行った方がいいだろう。

お家デートだと興奮しそうになるのを抑えて、手を繋ぎながら電車に乗り、私の家に向かう。


家につき私の部屋に来て少しゆっくりしていると、ウトウトとし始めた宗四郎さん。

朝、私が寝ている時も起きていたんだろうか。


ベッドに横になるよう伝えるが首を横に振る。


「寝てまうやん、せっかく一緒におるのに…。」


「寝ていいよ。じゃあ、一緒に寝よ?」


寝たら意味ないやんと抱きしめてくるので、そのままベッドに押し倒した。


「わぁ、押し倒されてもうたあ、襲われるう。」


「もう!寝て!じゃないと私が困るの!」


なんでかと聞かれたので、私のせいで寝てないからと答えた。

違うとうるさいので布団を被せて頭を撫でながらお腹をトントンした。

ガキちゃうねんと言われたが無視をしてそのまま続ける。


しばらくそうしていると静かになったので、頭まで被せていた布団を引っ張り顔を出して見てみると、規則正しい寝息をたてているので寝ているのだと思った。

目を見ても判断出来ない…。


私もまだ身体がだるいので一緒に布団に潜り眠る。

あまり深く眠らないようにしなきゃ…母たちが帰ってきた時気付けない。
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