第9章 決断
副隊長室に戻ると、宗四郎さんにおいでと手招きされて、隊長を見ると微笑んでいた。
私に話があるのだろうか?
宗四郎さんの隣に行き失礼しますと言って座ると、私と宗四郎さんが今日休みになったことを伝えられる。
「三浦すまなかった。隊長である私が不甲斐ないばかりに…。」
頭を下げた隊長に驚き慌てて隊長のせいではないと否定する。
「僕も、副隊長やのに…君の恋人やのに……守れへんくてごめん…。」
何故2人が謝るのだ。
悪いのはあの先輩で、なんの警戒心も持たずついて行った私なのに…。
「宗四郎さんや斑鳩小隊長が来てくれなかったらと考えると、今でも恐怖で身体が震えます。でも、来てくれました。私を守ってくれました。隊長も私のことを考えて、宗四郎さんのことも休みにしてくれたんですよね?ありがとうございます。」
立ち上がり深く頭を下げる。
つい宗四郎さんと言ってしまったけど、休みだから許されるだろうか。
前に私の前でも好きなように呼んで構わないと言ってくれてたし…。
その後、宗四郎さんにこのまますぐ出掛けると言われ、隊長もいなくなったので、すぐに服を着替えた。
宗四郎さんの私服初めて見た…。
どこに行くか聞いていなかったので服装を悩んだが、彼を見る限り大丈夫そうだ。
カジュアルな格好をしている。
「ワンピースやん、めっちゃ可愛ええ!…けど、足出し過ぎとちゃう?」
淡い紫色のヒラヒラとした膝丈ワンピースだ。
そんな短くはない。
そんな出てないと首を振って、かっこいいと彼を褒めた。
「あたりまえやん、僕やもん。……ほんで?足出てないって?ほーん?」
「んっ…ちょ、やめっ……出掛けるんでしょ!」
ワンピースを捲られ太腿を撫でられて声が出てしまう。
でもすぐにその手は引っ込んで私の手を握り外に出た。