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あの日あなたに恋をした【怪獣8号:保科宗四郎】

第9章 決断


「なにしとるんや。」


見上げれば、顔を汗で濡らし肩で呼吸をする宗四郎さんがいた。

先輩の動きが止まる。


「た、たすけて……。」


泣きながら彼を見つめれば、着ていたジャージを脱いで私にかけ、先輩に向かっていった。


「三浦、大丈夫か?」


「斑鳩、小隊長…。」


斑鳩小隊長に肩を持たれ少し反応してしまった。

小隊長に助けてもらいながらなんとか上体を起こして座る。


振り返れば、宗四郎さんが先輩に殴りかかっていた。

仰向けに倒れた先輩に馬乗りになり胸ぐらを掴む。


「なにしたかわかっとるんやろうな?僕に殺されても文句言えへんで。」


すごく低い声で怒鳴り、怒りを露わにしていた。


「宗四郎さん、もういいです…。」


私の言葉で少し落ち着いたのか、立ち上がり私の服を戻して抱えてくれた。


先輩はおかしくなったのか宗四郎さんに対して、まだ手を出していないのか、と嘲笑った。


「なにアホなこと言うとるん。さっきまでグチャグチャに乱れさせて、抱いとったわ。」


先輩は信じられないという顔で宗四郎さんを見つめていたが、すぐに笑って勤務時間まで終わるといいなと言った。


「お前、なんか盛ったやろ。」


「10回分を1回で飲んだんだ。今相当きついんじゃないか?」


あとは何も答えずに宗四郎さんは私を抱いたまま歩き出す。

斑鳩小隊長に先輩を副隊長室に連れて来るよう指示をした。


斑鳩小隊長とは途中で会ったんだろうか?


疼く身体を抑えながら、あの日のように大好きな人の腕の中でその顔を見つめた。

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