第9章 決断
あまり多くない荷物を整理していると、こんなんも持ってたんかと紐を摘みヒラヒラさせている。
左右を紐で結ぶタイプの下着だ。
すぐにそれを奪って隠す。
「それ意味あるん?めっちゃ透けそうやで?」
レースだけなので普通に透けているのだ。
うわぁ…見られてしまった…。
宗四郎さんがこういうのを好きなのかは知らないが、調べたら男性はこういうのが好きだと書いてあったのだ。
非番の時にこっそり買いに行って、それを履いて行ったらどんな反応をするのだろうと楽しみにしていたのに…。
「それ、今履いてくれへん?」
何を言い出すのだろうか、この男は…。
2人共いるのに…。
キコルちゃんがいたら全力で止めてくれただろう。
恥ずかしくて俯いていると、一旦部屋出るからその間に履いて欲しいと言われた。
どうしても今履かせたいんだろうか。
私が答える前に彼は部屋を出て行った。
どうやら、拒否権はないらしい。
その下着を履き大事なとこを手で隠しながら、2人にこれでいいのかな?と聞けば、顔を真っ赤にしていいと思うと言った。
ズボンを履いて宗四郎さんを呼ぶ。
部屋に戻った彼は見せてくれんのかとしょんぼりした。
こんなとこで見せれるはずがない。
「僕の為に買うてくれたんやないん?」
その言葉を無視して、早くやっちゃいましょうと下着がないところを整理してもらった。
また何か見つけられたらたまったもんじゃない。
もう彼が興味を引くものはないと思うが…。