第9章 決断
勤務時間も過ぎたし戻って休めと言われたのでみんなで隊長室を後にする。
「美影、腕プルプルしてるで。」
「ひゃっ!?…ちょ、今触らないでよ…。」
みんなと少し離れて歩いているので、思わずタメ口になってしまった。
2人きりの時だけにしようと思っていたのに。
何の罰だったんですかとぷいっとそっぽを向く。
勤務中に抱きついた罰だと言われたので、勤務中に名前を呼んだので宗四郎さんも罰を受けなきゃ…と返した。
「ほう?どんな罰なんやろか、楽しみやな。」
なんなんだ、この余裕そうな笑みは。
そのまま黙って寮に行こうとするが、なぁなぁどんな罰なん?とずっとニコニコしながら聞いてくるので、寮から荷物を移動するのを手伝うのが罰だと言えば、ええでと即答される。
いや、ダメだろう。
女子寮に入るのだ。
いくら副隊長でもそれは無理だろう。
冗談だと言っても、元々手伝うつもりだったと言って引く気はないらしい。
隊長の許可取ってねんと言って私の手を引いていく。
「やっ…まだ触らないでっ…!」
「なんやまだあかんのか?」
まだ腕がプルプルしていて、触られると痺れた時のような痛みというか擽ったさが走る。
私はこれがすごく苦手だ。
何故かわからないがムズムズして……ムラムラする。
少し前を歩くみんながチラチラ見てくる。
パッと離された手が私の頭を撫でた。