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あの日あなたに恋をした【怪獣8号:保科宗四郎】

第9章 決断


話が終わると隊長が突然何かを思い出したように声を上げた。


「市川もいることだし…市川と三浦、未許可の私語により腕立て50回だ。」


ん?
私語?何かしただろうか…。

どうやら、先輩を見送った時のことらしい。

あれか…。


副隊長が笑いながら頑張りやと応援してくる。
他のみんなもだ。


「先輩、やっちゃいましょう…。」


市川くんに頷き、2人で並んで床に手をつく。

そのまま腕立てを始めた。


普通に筋トレをしている時は何も思わないのに、今はものすごく恥ずかしい。


10回を超えた頃、背中に重みを感じた。
なんと、副隊長が座ってきたのだ。


「これは僕からの罰や。」


顔を見ることは叶わないが抑揚のある声を聞いて、楽しんでいるのだとわかる。

何の罰ですか…。


「む、むりです…許してくださいっ…!」


何に対してかはわからないが謝った。

彼を乗せて腕立てなんて出来たもんじゃない。
スーツを着ていれば話は別だが。


まだ怪我が治ってないのをわかってるくせに…。


隊長に注意されていたが、何故か許されてしまった。
どうして…。


重みに耐えながらなんとか50回を終わらせてその場に倒れ込む。

市川くんは少し呼吸を乱しただけですぐに起き上がった。


この差はなんなのだ…。
副隊長か…。

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