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あの日あなたに恋をした【怪獣8号:保科宗四郎】

第9章 決断


食べ終わって彼は先輩を迎えに行かなければいけないので別れて、私は寮の部屋に一度戻って服を着替えた。

本当はスーツに着替えなければいけないのだが、怪我をしているのでジャージでいいと言われた。


急いで外に向かうとすでにみんなは並んでいた。
遅れてしまっただろうか…。

左右に2列ずつ並び中央を向くみんなと同じようにすぐに並ぶ。

ライフル、持ってきた方がよかったのだろうか…。
スーツを着ていないので持たなくてもいいと思ったのが…。


そんなことを考えていると基地の扉が開き、隊長や副隊長に続き、拘束をされている日比野先輩が出てくる。

私がもっと強ければ…と考えたがどんなに強くてもあれをどうにかするのは、ただの人間には無理だろう。


何か考えると涙が出てきそうだったので、頭の中のもの全てを振り払った。


隊長と共に車両に乗り込む先輩を見ていると、我慢出来なくなり、前に出てしまう。
市川くんも一緒のようだ。彼も身を乗り出している。


「戻ってくるって信じてますから!」


私の前の市川くんの言葉に私も頷き、真っ直ぐ先輩を見つめる。


「戻ってきたら報告したいことがあります!」


まだ先輩には言っていないのだ、宗四郎さんと付き合い始めたことを。


『副隊長は絶対にお前を選ぶ!俺が保証する!』

先輩はそう言ってくれたのだ。
どんなにその言葉に救われたか先輩はわかっているのだろうか。


車両の扉が閉まり、先輩を乗せたそれは遠ざかっていく。


「第3部隊、敬礼!」


みんなの前に立つ副隊長の言葉に応えてみんなで敬礼をする。


本部の人にどういうつもりだと聞かれた彼は亜白隊長に対してだと答える。

ここにいるみんなはきっと、日比野カフカという、ここを守ってくれた仲間に対してしているだろう。

私たちは先輩を信じていますよ。

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