第8章 告白
私を膝の上に座らせて、お腹に腕を回し引き寄せられる。
肩に顎を乗せた彼は、耳元で好きやと囁く。
幸せすぎて死んじゃいそう…。
「あ…ってことは、もう付き合ってるんですよね?」
「うん、そうやで。…いや、ただの恋人やないで。僕と結婚するんやろ?やから、婚約者や。」
え、結婚…?
今のはプロポーズ…なのか?
話が飛躍しすぎて、頭が回らなくなってきた。
いやもちろん、結婚はしたいし嬉しいけど…。
なんて言うか…好きだと言われたことが嬉しすぎて、付き合うことしか頭になかった。
そうだ、前に病院に行けと言われたのになかなか機会がなくて行けていない。
いつ行こう…これから忙しくなるだろうし、先輩のこともあるし…。
そんなことを考えていると、扉の向こうからキコルちゃんの声が聞こえた。
膝の上から退こうとするが、お腹に回された腕がそれを許してくれない。
あろうことか、そのまま返事をして招き入れる。
恥ずかしくて俯くことしか出来なかった。
宗四郎さんはキコルちゃんにお礼をし、テーブルに置くよう指示した。
失礼しましたという声と扉が閉まる音がしたので、顔を上げて振り向く。
頬を膨らませて彼を睨むと、怒らんといてと笑った。
解放されたので立ち上がると、そのまま部屋に連れて行かれる。