第8章 告白
泣いたまま寝てしまったらしく、また掛け布団の上で寝てしまったので、毛布が掛けられていた。
スーツも脱がされ、下は下着のみになっている。
泣いたまま寝たので目に違和感を感じ、擦りながら起き上がって、毛布を肩に羽織ったまま部屋を出る。
副隊長室に出ると、彼は机と向き合っていた。
「起きたか?まだそんな経ってへんぞ?」
「副隊長は何をしてるんですか?怪我をしてるんですから、休んで欲しいです…。」
腕ごと抱きしめて、2人で毛布を羽織る。
何も出来ひんやんかと呟いた彼の頬にキスをした。
何も聞かないんだろうか、8号の正体を知っていたこととか、命令違反をしたこととか…聞きたいことはあるだろうに、彼は何も聞いて来ない。
その仕事は今やらないといけないのか聞いてみる。
「まだやらんくてええ。君がいつ起きるかわからんかったから、起きて待っとこう思て…。」
甘い声に変わり、私の頬に擦り寄ってくる。
一緒に寝ててもよかったのに言うと、すぐ話したいことがあったらしい。
先輩のことだろうか?それとも命令違反?
「僕な、子供の頃から、防衛隊員にはなれん言われとったんよ。」
そう始めた彼は、過去のことを話始めた。
ずっと刀を握り続けた彼は、銃器の解放戦力が弱く、今の時代では防衛隊員には向かないと言われ続け、それでも防衛隊員になった彼に、みんなは指南役に回るよう言ってきた。
元々、お兄さんがいる第6部隊にいたそうだが、打ち合わせで第3部隊に来た時に亜白隊長に、君の力が必要だとスカウトされた。
第6に?だからあの時、私を助けてくれたのか…。
そして彼は第3に来て、副隊長にまで登りつめたのだ。
初めて自分の力を認めその力を必要としてくれた亜白隊長の道を切り開く為に…。
「やからあの時、君がああ言うてくれたん、めっちゃ嬉しかったわ!」
あの時?
基地を襲撃した本獣…怪獣10号と戦っていた時のことだろうか?
すごく幸せそうに笑う彼の顔を見ながら首を傾げる。
そんな私を見た彼は、ふっと笑って頬に口付ける。