第7章 立川基地襲撃
その時、凛とした暖かい声が聞こえた。
「みな、よく耐えてくれた!」
来てくれた…私たちの唯一無二の絶対的人物、亜白隊長が…。
「怪獣、僕の勝ちや。」
顔を上げて笑う。
もう、彼が危なくなることはない、傷付くこともない。
隊長が来たことで士気が上がり、みんなの勢いが増していく。
亜白隊長の攻撃が怪獣に撃ち込まれ、彼を握っていた手が離れることで解放された彼と、体勢を崩した私はそのまま落ちていく。
副隊長に横抱きにされきつく抱きしめられると、回転しながら落ちていき地面に着地した。
私を降ろすと、怪獣を睨み上げた。
「僕はこの基地の副隊長。あの人に繋ぐのが務めや。」
また隊長の攻撃が撃ち込まれ、怪獣の腕は落ちたがすぐに再生する。
吹っ飛ばされた私たちは瓦礫の壁を使い立ち上がる。
亜白隊長でもすぐには倒しきれないようだ。
「さてと、もうひと無茶すんでぇ!」
彼の身体もスーツも限界なはずなのに…。
戦力ももう63%までしか解放出来ないようだ。
副隊長は何度も怪獣を斬っていく。
私も駆け出し彼の後を追う。
「副隊長!あとは私がやりますからっ、だから、お願いしますっ!無茶しないでくださいっ!!」
「お前かてもう限界やろ!オーバーヒートなるぞ!」
それでもまだあなたよりは…いや、一緒に戦おう。
隣で戦うと決めたのだから。
あなたが亜白隊長に繋ぐ為に戦うと言うのであれば、私はあなたに繋ぐ為に戦おう。
亜白隊長の為に戦うあなたの為に、道を斬り拓こう。
この戦いが終わるまで、私の身体よ、持ち堪えて。
解放戦力83%、あの怪獣を倒し切るまで維持してやる。
あなたの為ならば、私はどこまででも強くなれる。
限界はとうに超えている。
身体が熱い…痛みは身体中にある。
だが今はそれを忘れて、縦横無尽に駆け回り怪獣を斬り裂いていく。
刀を逆手に持ち、3式のみを高速で繰り返していく。
何度も何度もすれ違いざまに怪獣を斬り裂く。
だがその傷はすぐに再生してしまった。
それでも、攻撃の手は止めない。