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あの日あなたに恋をした【怪獣8号:保科宗四郎】

第6章 慰労会


少し経って、脱衣所の扉が開けられた。


「あ、美影戻ってきとるー。めっちゃ具合悪いねん、甘やかしてやー。」


全裸のまま抱きつかれてしまった。

髪からポタポタと雫が零れる。


「ちゃんと髪拭いてください。そしたら朝食の時間まで甘やかしてあげますよ。」


具合は悪そうだが、この感じならいつも通りとはいかないが、普通に仕事出来るだろう。


それよりも、可愛過ぎて発狂するところだった。


彼を引き離してベッドに座らせ、頭にかかったタオルごと包み優しく拭く。

ドライヤーはしなくていいのかと聞くと、タオルドライで粗方乾いてしまうからいいと言われた。

ちゃんと手入れしている雰囲気はないのに、どうしてこんなに髪が綺麗なのだと、恨めしくなった。


拭き終わると私のお腹に抱きついてくる。


「撫でてやぁ...。」


撫でろと催促がきたので、そのサラサラな髪を撫でた。

思わず甘えん坊...と呟いてしまった。


「君やから甘えるんや。自分も僕にしか甘えへんやろ?」


後半の言葉に圧がかかっているんだが...。
もちろん、宗四郎さんにしか甘えるつもりはない。


スリスリと私のお腹に頬を寄せて甘え続ける彼に、そろそろ時間だと言えば、服を着て連れて行ってやと後ろから抱きつかれる。

もちろん抱えて連れて行くことは出来ないので、無理だと言って歩き出そうとしても、腕を離そうとしないので、歩きにくいがそのまま部屋を出た。


「歩きにくくないんですか?」


「ええねん。」


何がいいのかわからないが、どうなっても知らないと食堂に向かう。


私の肩に乗せた腕をだらんと垂らし頭を乗せているのを見て、相当気持ち悪いんだなと、少し可哀想になった。

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