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あの日あなたに恋をした【怪獣8号:保科宗四郎】

第6章 慰労会


顔を伏せているので、道行く人に見られていることを知らない彼が羨ましくなった。
恥ずかしくてたまらない。


食堂につくと、お疲れ様ですと声をかける新人たちに、軽く顔を上げておぅ...と力なく答える。


席につかせてご飯が乗っているトレーを持ってきて私も座ると、食えへんと聞こえて肩が重くなった。


ちょっとでも食べてくださいと箸を持たせる。

渋々食べ始めたのを見て、私も食べる。

少しするともう無理やと言って箸を置く。
ほとんど減っていなかった。


彼は私が食べ終わるのを待ち、一緒に食堂を出る。


「戻してもええかな...。」


などと呟いている。

私の腕に掴まり、お腹を押さえながら前屈みになる。


ゼリーでも買ってくればよかったと後悔した。

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