第6章 慰労会
顔を伏せているので、道行く人に見られていることを知らない彼が羨ましくなった。
恥ずかしくてたまらない。
食堂につくと、お疲れ様ですと声をかける新人たちに、軽く顔を上げておぅ...と力なく答える。
席につかせてご飯が乗っているトレーを持ってきて私も座ると、食えへんと聞こえて肩が重くなった。
ちょっとでも食べてくださいと箸を持たせる。
渋々食べ始めたのを見て、私も食べる。
少しするともう無理やと言って箸を置く。
ほとんど減っていなかった。
彼は私が食べ終わるのを待ち、一緒に食堂を出る。
「戻してもええかな...。」
などと呟いている。
私の腕に掴まり、お腹を押さえながら前屈みになる。
ゼリーでも買ってくればよかったと後悔した。