第5章 嫉妬
少し出た彼の舌を通って唾液が零れてくる。
そのまま垂れてきた唾液は口の端にあたり、頬を濡らした。
彼はすぐに位置を調整し、今度はちゃんと口の中に入り、私の喉を通った。
それを見届けると、舌を掴んでいた手を離す。
「すまん、ズレてもうた。......慣れないことしたから、めっちゃ恥ずい...。」
溢れた唾液を指で掬って口に入れる。
私はその指を食んだ。
すごい、キスしてるみたいだった...。
すごくえっちだけど...。
咥えた指を甘噛みしたり舐めたりして口を離す。
「美影がえろすぎて勃ってもうた...。」
いや、それは宗四郎さんです。
「今の、初めてしたんですか?」
「あたりまえやろ、好きでもない子にこんなことせぇ.........んんっ、聞かんかったことにしてや!」
ふふっと笑うと、笑わんといて!と顔を真っ赤にして睨まれる。
今までもほとんど私を好きと言っているようなもんだったのに、気付かなかったんだろうか。
「もう諦めて好きって言ったらどうですか?」
「自分はもう言うたから楽やろなぁ!?」
彼は言ったら止まらなくから言わないとそっぽを向く。
別に止まらなくなってもいいのに...。
でも恋人とそうじゃないのは、何で判断されるんだろう。
お互い付き合わないと言っていればそうじゃないんだろうか。
でも、してることは恋人のようで...。
キスも本番もしないと決めているけど、どうなんだろう...。
さっきのは完全にキス以上のことしてた...。