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短編集【呪術廻戦】

第4章 私の恋 高専夏油



2日後の土曜日。

夜には縁日があるから、自分の部屋の掃除や作り置きなど、休みの日にしかできないことを朝からやっていた。


「おい、。」
「……。」


筑前煮をタッパに詰めていると、私の部屋に入ってきて五条先輩が私を呼んだ。


「おいって。」
「先輩、女の子の部屋ですよ?何勝手に入ってるんですか。」
「ドア開いてたじゃん。なんか美味そうな匂いしてたし。それみて入ったの。いいだろ。」

「もー。」

どかどかと遠慮なしに入ってくる五条先輩を私は睨みつけた。
すこしは夏油先輩の紳士的な部分を見習ってほしい。


「傑から聞いたけど、オマエも今日祭来るんだろ?」
「はい。あっ!つまみ食い!」


私の後ろからひょいっと手を伸ばし、蓮根を口に放り込んだ。


「うま。じゃあ、ちょっと俺の部屋来いよ。」
「はぁ?」
「いいから。もう料理終わったろ?」

そう言って今度は里芋をつまみ食いする五条先輩の手をぺしっとはたいた。








「五条先輩の部屋でなんかあるんですか?」
「見たらわかる。」


私の前を行く五条先輩についていくと、五条先輩はにやっと笑った。


「ほら、何色?」
「……え。」
「オマエは…淡い色より濃い色かな。いや、このストライプもいいな。」
「え?え?なんですか?これ。」
「浴衣だけど。」

クローゼットの中に並ぶ色とりどりの浴衣。


「…なんで五条先輩が?」
「実家に大量にあるから。」
「おねぇさんとか妹さん?」
「いや、俺一人っ子だから。」

「あー、でしょうね。」
「どう言う意味だよ。」


ごっと頭頂部を殴られ、私は笑った。


「傑にも硝子も浴衣ないって聞いたから、届けてもらった。親戚も住み込みのお手伝いさんとかの子供とかも多いし、大量に家にあるから好きなの着ろよ。」
「えっ、えっ。」

五条家はすごいとは聞いていたけれど、まさかここまですごいとは思わなかった。
住み込みのお手伝いさんっ?!



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