第1章 はじまり
「ちわっす〜」
朝活。配信を始めた俺は、ゲームの最初の画面を眺めながらマイクに向かって話し出す。
アツクラの企画も終わって用事も色々と落ち着いてきた頃。俺はエンドラRTAをしようとしていた。
「じゃあ今日もやっていきますっ」
と俺はワールド生成ボタンをクリックしてエンドラRTAを始めようとした。チャット欄には、応援コメやらおはようございますなどの挨拶が飛び交っていた。
最初に視界に飛び込んできたのは鮮やかな緑。ここはよくある平原かな、と思って振り向くと村がある。グラフを表示させると鍛冶屋の反応もあった。始まりは上々だ。
「まずは鍛冶屋の中身だな」
と俺が走り出した瞬間だった。
リン、リン……という聞き覚えのないゲーム音。
まさか外からの音かとヘッドセットを片方軽く外すも違う。やはりゲーム画面から聞こえて……。
「たいたーい!」
「えっ?!?!」
今日一デカイ声が出てしまった。
しかし、目の前のその子は俺の困惑をよそにどんどん話し続けた。
「たいたいに言われた通り、ちゃんと鈴つけてきたよ! ね、一緒にエンドラ討伐に連れて行ってくれる?」
「……え?」
え?
俺の目の前にいる謎の女の子がそう言った。……ちょっと待て、誰この子?
『鈴をつけたクリーパーちゃんとエンドラ討伐』