第5章 過去
蒼side(回想)
母「にしても、彼岸花となると遠いわねぇ。」
蒼「家は西の中でも大都市だからまだマシですけどね。」
母「そうねぇ。そういえば、今回のターゲットは?」
蒼「ターゲットは榊茉白(さかきましろ)彼岸花の中でも裕福層に分類されています。あとは、娘、息子が一人ずつ。娘の名は榊茜、息子は榊夕緋。親である茉白が能力者ですね。」
母「もぅ、蒼ってばすぐに仕事モードになっちゃうんだから。」
蒼「これが私だから、仕方がない仕方がない。」
母「さて、そんな話してる間についたわよ。」
蒼「ここが、ターゲットの家ですか。」
母「侵入するわよ。」
母はナイフを取り出すと
母「そこのお二人さん、ちょっとだけいいかしら?道に迷っちゃって教えてくれませんか?」
と言いながら二人の護衛に近づき、喉の脈を思いっきり切った。
母「ふぅ、これで侵入できるわね。」
蒼「さすが、お母様。」
母「今はそんな事言ってる暇はないわよ。行きましょ。」
蒼「はい。」
中に入るととても楽しそうな声が聞こえた。
茜「母上!私新しい技作ったの!」
茜母「あらあら。こんな細かいこともできるようになったの
ね。」
夕「姉さんずるい!僕も撫でてもらう!」
家族が仲良く話していた。
(私もこんな家族が良かった。)
そんな言葉は頭の中でかき消した。
すると母は銃を構え、あの母親に狙いを定めた。
撃った、そう思ったところで母の手が止まった。
母の背中から血が溢れ出していた。
蒼「おかあさま?お母様!しっかりしてください!お母様!」
お母様を殺したのは、お手伝いのような奴らだった。
きっと最後にあがいただけだろうがそのせいで大事な母親をなくした私は、怒りに満ち溢れていた。