第5章 過去
蒼side(回想)
母「なんの騒ぎでしょう?」
蒼「お、お母、様?」
母「蒼!怪我が増えてるじゃない!?」
蒼「平気です。少しクラスメイトに殴られただけです。」
母「大丈夫じゃないでしょう?ただでさえも貴方は女の子なんだから。」
母はいつでも優しかった。こんな私のことを愛してくれた。
でも、母のことを溺愛していた父は、
父「こらこら、そんなやつに触ったらお前が汚れるだろう?真奈?」
母「直登さん、この子も私達の娘ですよ?何故そんなことをするのです?」
いつもこんな事を言ってくれる母のことが私は大好きだった。
そんな日常だったのを壊したのはこの男だった。
父「真奈、何故お前はこんなにこいつに執着するんだ?こんな穢らわしい赤と青の瞳を持つこいつに。」
母「でも娘であるのに代わりはないでしょう!この子にこれ以上傷がつくのには耐えきれません。私もついていかしてもらいます。」
蒼「!お母様!だめです!お母様に傷なんてついたら!」
母「貴方のほうがよっぽど付いているでしょう?とにかく今回は私も行かせてもらいます。」
父「そうか、、、、。準備をしてきなさい、真奈。」
母「はい、それでは。」
父「お前のせいだ!お前のせいで真奈に傷がついてしまう!お前
がいなければ!いなければ!あいつの感情は俺たちに向いていたのに!」
怒りを込めた声で私を殴ってきた。蹴りも入れられた。そんなのが二時間続いた。
コンコン
母「蒼?準備できたかしら?」
蒼「!お母様!できました。すぐに向かいます。」
蒼「遅れて申し訳ありません。」
母「焦らなくてもいいわよ、さぁ行きましょう。」
蒼「はい!」