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【DMCバージル夢】貴方と生きる【第二章開始】

第18章 第2章 喪われる


 魔界の瘴気を振り払いながら、バージルはヴィオラを抱え、人間界へと戻った。

 冷たい夜風が肌を撫でる。

 喉を灼くような魔界の空気とは違う、懐かしい空気だった。

 だが、安堵する暇などない。

 ビアンカはまだ、魔界の奥底にいる。

 救い出すまで、この闘いは終わらない。





「親父!」


 駆け寄るネロの姿が視界に入る。

 彼はすぐにヴィオラへと視線を移し、その無事を確認すると、強く拳を握りしめた。


「……母さんは?」


 バージルは短く答える。


「どちらかしか選べなかった」

「はぁ!? 母さんを見捨てたのかよ!」

「ヴィオラを守ってと叫ばれた」

「まあそうだろうけどよ!」


 ネロは悔しげに奥歯を噛みしめる。

 と、そこへ


「水臭いじゃねえかバージル、久しぶりのパーティーなら俺を誘えよな」


 陽気な声が割り込んできた。

 バージルが振り向くと、そこには片手にリベリオンを肩に担ぎ、にやりと笑うダンテの姿があった。


「ネロ坊やが呼んでくれたんだよ。 な?」

「……ああ、こういうときばかりは頼りになるからな」


 ネロは苦虫を嚙み潰したような顔をしつつ拳を握りしめ頷いた。

 バージルは静かに息を吐き、ヴィオラをしっかりと抱え直した。


「……ならば、ヴィオラの安全を確保したらもう一度潜る」


——次は、ビアンカを取り戻す番だ。
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