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【DMCバージル夢】貴方と生きる【第二章開始】

第10章 神と、仔等(DMC4原作沿い)


 一方その頃――

 バージルは、アグナスの研究室へと足を踏み入れていた。

 ここでは、魔剣教団が密かに進めていた異端の研究が行われていたはずだ。

 そして――彼は、奥にあるビデオ装置を見つけた。

 少し埃を払ってから、テープをセットし、再生ボタンを押す。

 カチッ……ジジジ……、と古臭い音とともに映像が映し出される。

 「ま、ま、ま、魔女だって!?!?」

 突然響き渡る、アグナスの興奮した声。

 映像の奥、磔にされたビアンカの姿が映る。

 彼女の両腕は頭の上で拘束され、傷だらけの体が晒されている。

 それを見た瞬間、バージルの瞳が鋭く細められた。

 「なんと行幸か……悪魔と契約し力を振るうという、ぜ、ぜ、ぜ、絶滅したはずの魔女がこのフォルトゥナに現存していたとは……!」

 アグナスの興奮した声が続く。

 「本家本筋ではなく分派の末端とはいえこの血統……この力……!!」

 「解析すれば、我らが“救済”の大きな礎となるやもしれん……!!!」

 バージルは冷静に画面を見つめながら、素早く思考を巡らせる。

 この映像だけでは、正確な場所の特定は困難。

 「……先程の悪魔の痕跡を辿れば、たどり着けるか」

 バージルは閻魔刀のない腰に手を当てながら、ゆっくりと背を向けた。

 無言のまま、静かに、しかし確実に、彼女のもとへと向かうのだった。
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