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【DMCバージル夢】貴方と生きる【第二章開始】

第3章 命は続く


ビアンカがキッチンで片付けをしていると、ふと背後で奇妙な気配を感じた。

「──え?」

振り向くと、バージルがネロの前に立っている。

そして、そのすぐ目の前に、青白く輝く幻影剣が一振り、静かに宙に浮いていた。

「ちょっ、なにやって──!?」

思わず止めに入ろうとするが、次の瞬間、ネロがきゃっきゃと嬉しそうに手を伸ばし、幻影剣の周りをぺたぺたと触っているのが目に入った。

ビアンカの足がピタリと止まる。

「え……?」

幻影剣は殺傷力のあるもののはず。だが、ネロの小さな手が触れても、それはまるで空気のように優しく揺れるだけで、彼を傷つける様子はない。

「……魔力に親しんでいるな、生まれつき」

バージルが静かに言う。

「魔力の流れに適応し、触れることに違和感を覚えていない。素質としては悪くない」

まるで戦士の才能を見極めるかのような言い方だったが、ネロはそんなことは気にも留めず、純粋に楽しげな笑い声をあげている。

ビアンカは、思わず肩から力を抜いた。

「……アンタの子だからね」

バージルが軽く眉を動かした気がしたが、特に反論はしなかった。

ネロは幻影剣を指でつつきながら、その光の揺らめきを不思議そうに眺めている。

バージルはその様子をじっと見つめながら、まるでひとつの確認を終えたかのように、幻影剣をゆっくりと消した。
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