第5章 栄光の目前 〜決勝トーナメント準決勝〜
●藤堂 天● 〜東京体育館〜
あぁ~腹減ったなぁ~…
短い上映時間ではあるが。
インターバルの間に、馬鹿どもによる、馬鹿どものための、“馬鹿ども小劇場”が開幕していた。
今のところキャスティングは…
紗恵、新妻。
キャプテン、旦那。
詩織、旦那母。
…ってところだろうか?
自分はこのキャスティングに加わらないことを祈るばかりだ。
この後の昼飯なにかなぁ~…
「もしかして…さっきのザシュッ!も…
わざとだったんですか~?!!」
「ちょ…紗恵?!」
「あなた~!詩織お義母様が
イビり姑だったよ~!」
“あなた~”ってキャプテンのことかよ。
なんだよ…板についてんじゃねぇーか。
「なに?!詩織お前
いつ子ども産んだんだよ?!」
「やめてよ!産めるわけないじゃん!!」
もう1人いた。
センターにいる元祖馬鹿、キャスティングは謎。
たぶんお節介するタイプの野次馬系ご近所さん。
馬鹿の暴走止まんね~なぁ~…
あ。
なんか今、柑橘系のいい匂いした…
「詩織(母さん)がそんな幼稚なこと
するわけないだろ!」
あぁ~(話)噛み合っちまった。
「いや~ん!旦那が
典型的なマザコンだった~!!」
「なに?!お前!マザコ」
「もういいお前ら黙れ!!」
やれやれ、やっと閉幕か…小劇場…