第3章 表があれば裏がある
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「それは道だ。」
どこかの誰かがそう言った。
遠いどこかの憧れの存在などではなく、平等にすぐそばにあるもの。
人はそれを、道と呼ぶ。
今まさに、自分の足元から始まり、そしてどこかしらに繋がっている。
それが分かれば、人はどこにだって行ける。
行けるはずなのに。
「そんなものは、恵まれた者の戯言だ」と。
「自分が望んだ道を、誰もが歩めるわけないだろう」と。
放たれた扉を前にしても。
外に出ない大多数の人。
大方、そんなことを言うのだろう。
誰が歩いてもいい。
無限ですらないが、有限でもない道を、あたかも手の届かないもののように遠い目をする。
じゃあ、その自分は?
恵まれていないのか。
なぜ自分の望んだ道を歩めない。
疑問を抱かずにはいられないが、
相応しい解答は一つだけしか残っていないということも理解できる。
誰かの解はいらない。
与えられるまでもない。
どこにでも行ける生物が、
どこにも行けない体に進化を遂げたのは。
自分の居場所を、失いたくないからだ。