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宵闇の明けと想ふは君だけと〈中学編〉

第3章 表があれば裏がある


●?? ??● 〜???〜


「場所という概念は、不確かだ。」


どこかの誰かがそう言った。


いつ。どこで。
どんな意図で、そう言ったのかは定かではない。


けれど、口にしたからには理由があるはずだ。


大都会の一頭地。ど田舎の山荘。
最上階のレストラン。古民家の囲炉裏。
ブランドショップ。100円均一。


優劣をつけようがつけまいが、それは別に重要ではない。
大切なのは、目の前にある1つの事実が、永久的なものかどうなのか。


一定の尺度で測った物事は、本当にこの先も変わらないのか?


事実が事実であり続けるためには、その形をとどめている必要がある。
しかしそんなこと。
見届ける以外にどうやって確かめられるって言うんだ。


それを証明できない限り、優劣は意味を持たない。
どこにいても結局は同じ。
場所は、一時的な借り物の空間にすぎない。


掴んでも。掴んでも。
いつかはこの手を零れ落ちる。
人生のうちに、どうしたって手中に収めることが叶わないことだってあるんだ。


本当に、場所が不確かなのだとしたら。
一体何が確かなんだ。


そんな風に疑問を持てば、いつでも解が返ってきた。


「それは道だ。」


またしても、誰かがそう呟いた。


誰に向けた言葉だ?
なぜそれを解として差し出した?


あなたは、誰だ?


気になる。
気になるなぁ。


なんで、そんな話をしているんだ?

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