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宵闇の明けと想ふは君だけと〈中学編〉

第5章 栄光の目前  〜決勝トーナメント準決勝〜


●藤堂 ??● 〜東京体育館〜


“調整”か。
なるほど、確かに監督らしい考え方だな。
「そこが選手と監督の違いなのだろうか」と、変に納得してしまった自分がいた。


監督が“メンバーチェンジ”なんて言うもんだから。
「ワンチャンこの試合、あとは眺めてればいい?」なんて気が早まったよ。
でも勝利を確信させる程度に、点を稼いだのは事実なんだし。
休む猶予があるんだったら、休みたいって思うだろ?


何より私。
腹減ってんだよな…


水分でなんとか誤魔化してきたけどよ。
流石に本腹空いてきちまったよ…


午前と午後の間の、昼休憩を目前に。
「後はこのまま、ベンチに根が張ったみたいに黙って眺めてればいいか〜」。
…って、思っていたのに。


「“調整”も兼ねて」と言っていたのと同じ声で。
今度は、「…と言いたいところだが」と言っているのが聞こえてきた。


瞬時に思った。
「あぁ、“期待させといて〜”のパターンな?」って。


つまり…


「最終クォーター。
 このまま2年だけで行くぞ」

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