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宵闇の明けと想ふは君だけと〈中学編〉

第5章 栄光の目前  〜決勝トーナメント準決勝〜


●藤堂 ??● 〜???〜


そう言うことなら、取り上げられる前にもっと飲んでおくべきだった。


そんなことを考えていると、同じマネが再び私に話しかけてきた。
今度は「代わりと言ってはなんですけど…」と、相変わらず申し訳なさそうに言いながら。
新しいタオルを、私の手の中に納めてきたんだ。


だからこれは、そのひと通りの対応を見て、私が素直に感じたことなのだが。
どうしてマネージャーってのは、ここまで気配りができるんだろう。


いや違った。
私の目の前に立つ、この後輩マネは、マネージャーであろうとなかろうと、元から気配りができる子だった。
私から見ても、マネージャーに適した子に思える。


…なんかそれも違う気がする。
“適した”と言うより…


むしろ、こういう子じゃないと務まらないんだろうな、と思う。
“マネージャー”というものは。


だから、いつも世話になっているマネージャーのためだと思うことにして。
インターバルの残り時間。


私は、自分の汗をタオルで拭くことだけに専念した。

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