第3章 表があれば裏がある
●?? ??● 〜東京体育館〜
改め、ブルージュの少女。
これが“私”だ。
大会出場校の選手の1人として、
会場となる東京都に足を運んだ。
都会っ子みたいに、「ふぇ」を使わないし。
笑っただけで男子を赤面させることも出来ない。
絵文字みたいな可愛い表情も作れない。
それを、あの白銀の少女は息をするように自然にやってのけた。
立ち回るというより、素でこなしていたようだからますます感服してしまう。
そんな白銀の少女を、物語のヒロインと呼ぶに相応しいのだとしたら。
“私”はせいぜい、彼女の青春の背景を作るだけの、いわゆる“モブ”という存在なのだろう。
なんなら今だってモブ状態だ。
一言で言うと。住む世界が違いすぎる。
その場にいるだけで華が咲く人類の最高傑作とただの背景では、雲泥どころの差ではない。
でも憧れはする。
“私”も一応女の子だ。
そして“私”は、再び4人の少女に向かって口を開いた。
?「シティーガールが
“ふぇ?”って言ってるの見た。
私たち流行遅れかもしれない。」
“私たち”という一人称で、自らを称したブルージュの少女。
彼女は白銀の少女の位置を示すかのように、人差し指で自分の真後ろを指差し。
「ふぇ?」の部分だけ、見よう見真似で、白銀の少女の真似をした。
本人は割と頑張ったつもり。
だったのだが…