第6章 即ちそれ、“強豪”なる者たち
●藤堂 天● 〜東京体育館〜
山頂へと向かうため、9合目を後にしようと歩き始めた私たちの前に現れ。
あたかも「行かせまい」とするこの場面を、「仇討ち」とカタストロフィ的に称し、臨戦体制をとった史奈は正しいのかもしれない。
一触即発は久しぶりだ。
今からここで、どんな非道なことが起ころうとも、私はおかしいと思わない。
望みはしないが、仕方がない。
“スポーツマンシップ”がどうのこうの、なんて。
後出しで言われたって構うもんか。
過去の結果に、未来の試合を邪魔されていいわけがない。
決勝への出場権利を守るために、ここで足止めなどされてたまるか。
何があっても、私がこいつらを守る。
?「あなたたち…!」
…と、思っていたのに。
?「凄かったよ!さっきの試合!」
「『 え? 』」