第3章 表があれば裏がある
●?? ??● 〜東京体育館〜
白銀の少女は、自分の顔が気になるのか。
両手で頬を挟み込み、表情筋をムニムニと触る。
その様子を見て、目の前の4人の男の子たちが頬を赤く染めている事に、少女は気付いていない。
次に静寂に切り込んだのは大人びた様子の男の子で、コホンと一つ咳をして口を開いた。
「まぁ、君が少し遅れてくることは
計算のうちに入っていたよ。」
「さっすがキャプテン!
僕のことよく分かってるね〜」(o^^o)
「それほどでもないよ。
(君のことなら
なんでも知ってて当然だよ)」
キャプテンと呼ばれた男の子は、優しさを含んだ視線を白銀の少女に注いだ。
…が。
それほど長い時間、見つめることは出来なかった。
なぜなら。
「きゃ?!」
次の瞬間に、白銀の少女の体は中に浮き。
ついさっきまで会話していたキャプテンの男の子より、視線が高くなってしまったから。
「ふ…ふぇえ〜?!!
な、何してるのよぉ〜?!」
白銀の少女の身に、何が起こったのか。
本人よりも、周囲にいる男の子たちの方が一足先に状況を把握した。
「て、てめぇ!なにやってんだ!!」
「ちょ!なにやってんスか?!」
男の子たちの目には、白銀の少女がチームメイトの1人に持ち上げられて、横抱きにされている光景が飛び込んでいた。
「こうしていれば、
勝手にいなくなったりしないだろ。」
「ば、ばかぁ〜!!降ろせぇ〜!!」
「降ろさない。オレに持たれていた方が
幾分か合理的だ。」
男の子に持ち上げられ、お姫様抱っこの状態になった白銀の少女は。
男の子の肩をポカポカと叩くという、可愛らしい抵抗しかできなかった。
「お前は軽すぎる。
飯はちゃんと食っているのか?」
「ばかぁ〜〜〜!!」