第3章 表があれば裏がある
●?? ??● 〜東京体育館〜
女の子の声が降り注いできた直後。
最初は「近くにいる」という判断要因が、声しかなかったが。
しばらくすると…
ジャージ姿の人の波を掻い潜って、小さな少女がこちらに向かって駆けてくる姿が、男の子たちの目に飛び込んできた。
「心配しただろ!あんまウロチョロすんな!」
「まったくだ…
少しは自分が女だということを自覚しろ。」
「もぉ〜!何かあったのかと思って
俺ヒヤヒヤしたっス!!」
男の子たちは思い思いのことを口にしつつ、
白銀の髪の少女を迎え入れた。
「へへへ、ごめんごめん…」
「随分と時間がかかってたみたいだけど。
迷わなかったかい?」
「う〜ん…正直に言うと
少し迷ってた。」(´・_・`)
4人の男の子に囲まれながら白銀の少女が、申し訳なさそうに俯くと。
1番血の気の多い男の子が、自分の目線よりずっと小さい少女に向かって声を荒げた。
「ったく!お前は勝手にウロチョロするくせに、
案の定迷って毎回トラブルを
持ってくるんじゃねぇか!
危なっかしいったらねぇよ!!」
仮に、その言葉を普通の女の子が受け取れば、男の子特有の迫力に圧倒されて、それだけで萎縮してしまうだろう。
けれど、白銀の少女は普通の女の子ではないようだ。
なぜなら…
「僕だって色々頑張ったんだよ?!
みんなのところに戻るために
必死だったんだから!」
“僕”という一人称で、自らを称した白銀の少女は、自分よりもずっとずっと背の高い男の子が、全力で言葉を投げかけてくるのに、萎縮する影すら見せない。
挙げ句の果てには、弁解するために言い返し始めたのだから。
「僕が周りの人に道を聞いても、
みんな急に顔を赤くして
逃げちゃうんだもん!」
「「 (それはお前が可愛いからだ...) 」」
「もぉ〜なんで毎回こうなんだろう?
顔が怖かったのかな…?」(´;ω;`)
「「 (鈍感...) 」」