第3章 表があれば裏がある
●?? ??● 〜東京体育館〜
スポーツ選手や、国外の有名選手が来日した時のそれとは、また違った賑わいなのは見ただけで分かる。
それもそのはずだ。
その賑わいの中心にいる人々というのは、有名選手と言うにはあまりにも若すぎる。
体育館が建つ敷地の出入口から、大勢の人が敷地内に流れ込む。
1つの入り口から入る人々は、そのうち幾つかの流れに分かれ、敷地中に広がってゆく。
どの流れも、その先は決まって体育館で。
若き少年少女が、流れの大半を占める。
中学生か、高校生か。
その中にはもちろん大人や、お年寄りも。
入り口から中に進んでしばらくすると、敷地全体の地図とインフォメーション用のポスターケースが、人々の視線を集める。
ポスターが入ったガラスケース。
その横の、“本日の予定”と記された掲示板には、これほどまでに人を集める理由が示されていた。
“全国中学校バスケットボール大会”
[決勝トーナメント]
つまり賑わいの原因は、全国各地から集った中学生たち。
今日は彼らのために、体育館の入口は解放された。