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【呪術廻戦/五条】嘘がつけない

第1章 二人は一緒


とりあえずこっちの部屋に来て。と、通された和室の中にある椅子とテーブルの部屋。


畳の上に上質そうなカーペットがひかれてあり、モダンなテーブルと椅子が備え付けてあった。

大正のような、なんか素敵な雰囲気の部屋だった。


「どうぞ座って。」
「は、はいっ。」

重い椅子に腰掛けると、とたん目の前には紅茶のようなものが置かれた。
いつのまにか入ってきたであろう着物の女性が、静かに紅茶やら洋菓子を机に並べていく。

「あ…すみません。ありがとうございます。」

お母様だろうか。
私がきてすぐこの部屋に来たのに、もう用意されてるのは早い…。


五条さんも私の前に座って、角砂糖を自分の紅茶にぼちゃぼちゃといくつか落とすように入れていっていた。


「で、ちゃん。だっけ?」
「あ、はいっ!」


雰囲気に圧倒される。

部屋にももてなされた紅茶にも、目の前の五条さんにも…。


「キミに呪いをかけた呪霊を探さなきゃいけない。」
「はい。」
「でも手がかりはない。」
「…はい。」
「僕の信頼できる人間に探させるから、それまでこの屋敷で身を隠しててほしい。」
「……。」

すごく嫌だ。

と、言いたいところだけど。


「わかりました。」

私は大人なので顔を出さないようしぶしぶ了承した。


「しばらくは僕も仕事に行かないようにするよ。」
「…呪いを祓うお仕事でしたっけ?」
「うん。」

やっぱり変な宗教なのかな…。
カルト的な何かで稼いでお金持ちになったんだろうか。

わたしは部屋を見渡した。


お化けがついてますよ。って人を騙してお金巻き上げる何かだろうか。

わたしの傷ももしかしたら、第三者がこっそり付けたもので、五条さんの話は全部作り話だとしたら…


何かの拍子にお金の話を持ち出されたら、逃げた方がいいかもしれない。


「キミは…顔に出やすいね。」
「えっ!?」

いや私は出さないようにしたはずだ。と、両手で自分の頬に触れた。
五条さんはくくくっと笑いながら紅茶をぐいっと飲み干した。

「なるべく僕と一緒にいてね。キミの存在が変にバレたら誘拐されると思ってね。」

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