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【呪術廻戦/五条】嘘がつけない

第1章 二人は一緒


「誘拐とか…殺されるとか…あんまりピンとこないです。」
「普通の暮らしをしてたキミには想像できないかもねー。」

私はやっと目の前の少し冷めた紅茶に手を伸ばした。

とてもいい香りの上品な紅茶だった。


普通じゃない暮らしがわからない。
彼の普通と私の普通がそもそも違うだろう。


「そんなに危ない仕事なんですか?」
「まぁ……」

何か言葉を選んでいるようなそんな感じだった。

「そうだね。ちゃんが想像しないくらい危険かな。でも僕は最強だからね。死なないよ。」
「じゃあ、私の命は安心ってことですね。」

五条さんが死んだら私も死ぬ。
そう彼は言っていたはずだ。

「うんでも。怪我はする。僕は平気でもきっとキミにとっては致命傷になる。」
「…骨折…とかじゃないってこと…?」
「腕が取れたり?」
「ひっ!」

もし遠くで五条さんが腕が取れるようなことになったら、わたしも突然腕がぽろっと落ちちゃうってこと!?

「僕は治療できるけど…ちゃんはショック死しちゃうかもしれない。」
「け、怪我しないでくださいっ!」

私が握り拳をつくり大声を上げると、五条さんはふふっと笑った。

笑い事じゃない。

「うん。だからなるべく家でキミのそばにいるよ。」
「ここは…安心なんですよね?」
「大体は。」
「絶対ではない?」

五条さんのお家なのに?

「五条家にも色々な事情があるし、仕事に来てる人間もいる。」

甘そうなクッキーを口に放り投げながら五条さんはそう言った。

「でもまっ、基本的には僕の言うことを聞くから、キミに部屋を一つ用意して、誰もそこには近づかせないよ。」
「言うこと…。」
「うん。僕当主だから。僕の命令はぜーったい。」

ーー…とうしゅ?

何のことだっけ?


「この家の一番偉い人。主だよ主。」

「お、お若いのに…」

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