第5章 二人でアオハル
「は弱いし。」
「え、うん。」
急な悪口?
「非力だし。体力ないし。足遅いし。」
「普通の人間だって。」
術師が凄すぎるんだって。
「ゲームで卑怯なことするし。」
「戦略的といってよ。」
「笑っていてくれるとか、前向きなところとか、こういう小さなことが本当に好きなんだよな。小さい好きが集まって大好きになる?みたいな。」
「…っ!?」
「あと、急にドキドキしてくれるとこ。」
そう言って私の手を自分の胸に当てた。
悟さんの胸で高鳴る私の心臓。
「術師以外のところをちゃんと見てくれる…好きだよ。」
「あ、ありがと…。」
サングラスの隙間からチラッとだけ見える青い目が綺麗で、私は下を向いた。
急にそんなこと言われるとは思わなくて、恥ずかしい。
「は?」
「え?」
「僕のどこが好き?」
「顔。」
「しばくぞ。」
うきうきと私の答えを期待していた悟さんは、私のおでこを指でつついた。
「さいっきょーーの五条悟が、私にだけ最弱なところかな!」