第5章 二人でアオハル
二人は京都散策を楽しんだあと、のんびりとホテルに帰ってきていた。
「幸せな時間だったー。ありがとう、散策付き合ってくれて。」
「ん。」
軽く返事を返した五条に、は不思議に思いながらも、彼の後ろについて歩いていた。
ホテルのエレベーターで、ちらっとは五条を横から見上げた。
特に表情からは何もわからなかったが、真顔で前を見ている五条には首をかしげた。
カードキーを差し込み、部屋に入ったとたん、五条はの手首を掴んだ。
「わっ!」
ぐいぐい引っ張っていき、五条はをベッドに放り投げた。
「ふーー。」
ゆっくりと呼吸を吐く五条をは睨んだ。
「んもう、乱暴だってば。」
「部屋まで我慢したんだから、いいでしょ。むしろ褒めてよ。」
ギシッと音を立ててベッドに上がってくる五条に、『あ、これはやばいやつだ。』と、は直感的に思った。
のしっと上半身をに乗せ、体重をかけてきたため、支えきれないは、そのままベッドに沈められた。
「悟さん…?研修中はしないんじゃない…の?」
「僕は一言もそんなこと言ってない。」
の頬を撫で、五条はゆっくりと顔を近づけた。
「野薔薇たちがさっきみたいに聞き耳立ててないといいな。」
くくっと笑っての口を塞ぐように口付けた。
「…ん。」