第5章 二人でアオハル
「私を狙ってるってことは、バレたの!?でもでも、悟さんを元々は殺したいんじゃなかったの!?」
を殺せば、術師最強の五条を殺せる。
五条を倒すことが無理な呪霊はを狙ってくるだろう。そう考え、今までを隠し、守ってきた。
しかし今、五条がいても呪霊が出てきて、を狙っている。
五条に勝てないと分かっていて、を狙う理由はなんだ
両手両足をぷらーんと下にぶら下げ、腰を五条に抱えられたは聞いた。
「…どうだろうか。まだわからないな。そう言えば、こうやって女の子抱えて戦うのは2回目だ。」
ふふっと笑いながら、五条が言った。
「そんな軽々…っていうか、ちょっと浮いてる感じがする。」
お腹を抱えるのに、あまりお腹に負担がない。
「僕の術式でちょっとね。」
「…?」
「さっ、すぐに祓ってもいいけど、相手の狙いを知りたいから、少し時間をかけるよ。」
「…狙い?」
「を殺したいのか、僕を殺したいのか。舌噛むから口閉じてて。」
そう言って、五条はを空高く放り投げた。
「ぅ…んぎゃぁぁぁぁーーーー!」
頭を抱え、は叫んだ。口を閉じるなんて、には出来なかった。
「悟のばかぁぁぁぁーーーー!!!」
上から見えるのは、宙に浮いた五条と、少し離れたところにいる夏油と生徒たち。
『き…きらぁ…い!キライ嫌い……このおんな、キラァァァイ!!!』
紐状のものが、いっぺんにに向かって真っ直ぐ突き抜けていく。
「うん。が狙いだね。」
「さとっ…る…」
呪霊もその声も聞こえないにとって、急に現れた五条におどろきながらも、落ちまいと必死に五条の腰に抱きついた。
「そのまま捕まってて。」
「う、浮いてるっ!」
落ちるかと思いきや、その空中でキャッチされたまま、上空で留まっていた。