第5章 二人でアオハル
「神社、ボロボロで雰囲気あって怖かったねー。ね、野薔薇ちゃん。」
「ぜんっぜん。さん怖がり過ぎ。うるさかったわよ。」
「えぇー、怖いってあれは!」
「呪霊もいないし、怖いところなんてどこにもないから。」
いつの間にか仲良くなってる野薔薇とを、五条はただただ見つめた。
「ーー…いない?」
何故いなくなった。
2〜4級のやつらがいたはずだ。
ぎりぎり苦戦するくらいの呪霊が、いたはずなんだ。
ーー…がいるから?
五条は頭で考えた。
どこからどう見てもただの人間。非術師だ。
呪いは呪いでしか祓えない。
呪力が普通の人間と同じ量しかないに、何かできるとは思えない。
では、何故今回呪霊が消えたのか。
「先生?どうしたんだよ。」
虎杖に話しかけられ、五条は思考を止めた。
「誰か先に呪霊祓っちゃったか、あまりにつよーい僕がきた逃げちゃったかな!ま、呪霊がいないなら仕方ないね!」
五条は夏油に合図を送った。
頷いた夏油は、かけていた帳を外した。
帳が外され、夕方になりかけの少し赤い空がよく見えてきた瞬間、何か黒い紐のようなものが何本も6人も周りに覆い始めた。
「悟っ!」
「あぁ。」
五条と夏油の声に、生徒3人もすでに武器を手に構え、空を見上げていた。
は、うっすらとしか見えていないようで、ぽけっと空を見上げていたが、夏油に肩をつかまれ引き寄せられた。
「きゃっ!」
浮くくらいに引き寄せられ、がいた場所は黒い紐が襲っていた。夏油が引き寄せてなかったらの頭に直撃していただろう。
地面には大きな穴があいていた。
「ーー…特級二体かな。」
五条は小さく呟いた。