第5章 二人でアオハル
私はピシッと背筋の伸ばした。
「、緊張かなりしてるね。」
悟さんが自分の胸を押さえながら私の前に来た。
私の鼓動がかなり高鳴っているのだろう。
落ち着かせようと深呼吸をしていると、悟さんが私に耳打ちをしてきた。
「中の呪霊たちは、別に僕たちが心臓が繋がっていると知ってるわけではないから、ばかり狙ってきたりはしないから安心して。」
「バレることあるの?」
「呪力をかぎ分ける事にたけたやつには、バレる。の心臓から少しだけ僕の呪力が流れてるからね。」
コソコソと耳打ちしていると、野薔薇さんが私たちをじとっと細い目で見ていた。
私は慌てて悟さんから離れると、3人のところに走り寄った。
「よろしくお願いしますっ!」
年下といえど守ってもらうのだ。
キチンと挨拶をすると、虎杖くんはにっこり笑ってくれた。
『闇より出(い)でて闇より黒くその穢れを禊(みそ)ぎ祓え』
指で何かの形をした傑さんが、そう唱えた。
「え、何?呪文!?」
「はは、さんそれも知らないんだな。本当に非術師なんだ。」
虎杖くんに言われ、私はキョロキョロとした。
「結界よ。ほら幕が見えるでしょう?」
「……んー?」
野薔薇さんに言われても、あまり見えない。
「見えないんすね。」
「うーん、あまり感じないかな。」
ちゃんと年上の私には敬語を使ってくれるのは、伏黒くんだ。
「さ、行っておいで。」
手をひらひらと振って、悟さんは私たちを見送った。
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「で、さんはなんで今回同行したのよ。」
「え?」
4人だけになった途端、野薔薇さんに詰め寄られた。
「なんか秘密があるんでしょ?」
「秘密…かな。」
私だけのことじゃなく、悟さんにも関係がある以上、私の口からは言えない。
「帳(とばり)も見えない。呪霊見えない。そんな人がなんで狙われやすいんすか?」
伏黒くんが周りを見渡しながら訪ねてきたが、私は苦笑するしか出来なかった。