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【呪術廻戦/五条】嘘がつけない

第5章 二人でアオハル


「先生ぇ、おっそーい!!」
女生徒に睨みつけられている。

「そうだぞ、五条せんせー!このしおりには集合8:00ってあんじゃん!」
ピンク髪の生徒には、しおりを突きつけられている。悟さんの手書きだ。


「新幹線時間大丈夫なのかよ。」
黒髪の男の子は低い声だ。



今の時刻8:07

確かに遅刻だ。これは先生が悪い。


「まずは挨拶だろー、はい皆さんおはようございます。」
「…。」

全員に無視されている。


「はい。ソレでは駆け足で新幹線向かいまーす。あと4分でーす。」
「はぁ!?」


ーー…あと4分?


私は口を開け、横にいる傑さんを見上げた。

「悟め。さ、行こう。荷物持つよ。」


走るらしい。

私は傑さんに荷物を預けると、前を走り出した悟さんたちを追いかけた。





■□■□■□



「ぜぇ…はぁ…し、死ぬ。」

階段を駆け上がり、指定席の車両まで走り続け、肺を押さえた。

そのわりに心臓は静かだ。
走ったというのに、悟さんは息切れすらしていないということだろう。

乗り込んだ新幹線のトイレの近くで息を整えていると、傑さんが来てくれた。

「大丈夫かい?」
「なんでギリギリに言うんですか、あの人。」
「悟だからね。さ、席行こう。」

傑さんに持ってもらっていた荷物を受け取り、私は切符の席番号を見ながら座席に向かった。


「先向かい合わせにしよーぜ!」

と、ピンク髪の男の子が席を動かしている。


「、こっちおいで。」

生徒たちの近くの席で悟さんが手招きしているので、わたしはそちらに向かった。

「でも、座席番号ちがうよ?」
「ん?この車輌貸切だから。どこ座ってもいいよ。」


か し き り


スケールが違う。
たった6人のために車輌貸し切るとは思いもしなかった。


「人が多いと呪力が混ざって気が散るからね。行き帰りくらい、休憩させてあげたいじゃない。」
「そんなのもあるんだ…。」

「向こうではずっと研修させるからね。」


と、悟さんはポツリと呟いた。
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